文政南鐐二朱銀(新南鐐二朱銀)の価値

 

文政南鐐二朱銀、またの名を新南鐐二朱銀は、文政7年(1824年)に製造が始まった高品質の銀貨です。

 

金を0.2%、銀を97.96%含むこの貨幣は約7.5gの重さがあり、8枚で小判1枚に等しい価値があるとされていました。

 

表面には「以南鐐八片換小判一兩」という言葉と、裏面には「定常是銀座」という銀座役人の名と子持ち分銅が刻印されています。

 

この二朱銀の発行は、当時の江戸と西国で異なる貨幣価値を統一し、幕府が貨幣制度を管理しやすくするために田沼意次により行われました。

 

現在の買取相場では、状態にもよりますが、一般的に5000円前後、美品であれば1万円以上の価値があります。

 

偽物を見分けるには、重さを確認するのが一つの方法で、約7.5gが目安ですが、本物であっても若干の誤差はあるため、最終的な鑑定は専門家に任せる必要があります。

 

この時代には他にも南鐐二朱銀のバリエーションとして、明和南鐐二朱銀や寛政南鐐二朱銀、安政二朱銀があり、それぞれが独自の歴史と価値を持っています。

 

特に安政二朱銀は貿易用に短期間発行された希少な貨幣です。

 

また、明和五匁銀は南鐐二朱銀の前身となる計数貨幣で、その流通の失敗が南鐐二朱銀の発行に繋がっています。