貿易銀とは？
貿易銀は、貿易のみに使用する目的で鋳造された硬貨であり、「貿易銀」という刻印が特徴です。
最初の貿易銀が発行されたのは1875年の明治8年です。
この硬貨は、貿易専用として発行された一円銀貨も含め、「貿易銀」という表現が使われることもありますが、ここでは明治8年以降に発行された「貿易銀」について解説します。
特徴
重さ: 約27.2g
寸法: 直径約38.6mm、厚み約2.6mm
貿易銀は、表面の中央に龍の刻印があります。
縁には重さを示す「420GRAINS」や「TRADE DOLLAR.」といった刻印があり、裏面には「貿易銀」と菊紋や桐葉などの刻印が特徴的です。
発行経緯
貿易銀が発行される以前、日本は貿易用に一円銀貨を発行していました。
しかし、明治初期において、東洋市場ではメキシコの銀貨が日本のものよりも銀位が高かったため、日本の一円銀貨はあまり流通しませんでした。
アメリカが銀品位を上げて東洋市場での影響力を増すのを見て、日本も銀品位を上げた「貿易銀」の発行に至りました。
この貿易銀は、国際通貨としての普及を狙っていましたが、結果的には成功せず、約3年間の鋳造期間で製造が停止されました。
貿易銀の本物と偽物の見分け方:
重さ・サイズ: 本物の貿易銀は、重さが約27.2g、直径が約38.6mm、厚みが約2.6mmです。
特に、厚みが3mmを超える場合は偽物の可能性が高いため、注意が必要です。
刻印: 本物の貿易銀は、刻印がくっきりとしており、文字が細く彫られていないことが特徴です。
偽物の場合、刻印が潰れたり、不鮮明な場合があります。
シークレットマーク: 本物の貿易銀には、裏面の縁を飾るギザギザにシークレットマークがあります。このマークがない場合、偽物の可能性が高いです。
以上のポイントを注意深くチェックすることで、貿易銀の本物と偽物を見分けることができます。