「穴銭」とは
真ん中に穴がある銭貨で、現在の5円玉や50円玉も穴銭の一種です。
特徴と歴史
古銭の穴銭は、ほとんどが銅で作られていますが、金や銀のものも存在します。
初めて日本で流通した穴銭は708年に鋳造された「和同開珎」で、その後さまざまな種類が作られました。
日本では物々交換が主流でしたが、政府が経済をコントロールするために穴銭が発行され、貨幣制度の基礎となりました。
しかし、偽物の出回りや政府の力の弱まりなどにより、物々交換が再び主流となりました。
江戸時代後期には、徳川家康の時代に穴銭が再び使用され、庶民の生活に浸透しました。
主な種類と買取相場
- 寛永通宝: 江戸時代から幕末にかけて鋳造された穴銭。裏面に「文」の文字が刻印された「島屋文」と呼ばれるものが高価。
- 和同開珎: 日本初の流通銭貨とされる708年の古銭。歴史的価値が高く、本物であれば高額査定が期待される。
- 永楽通宝: 中国明代に発行された古銭。織田信長と縁が深く、金銭は高価。
- 天保通宝: 江戸時代後期から明治にかけて鋳造された穴銭。各藩が偽物を多数製造したため、高額査定されることもある。
- 琉球通宝: 薩摩藩が藩内で使用するために鋳造した穴銭。希少価値が高いが、偽物も多いので注意が必要。
- 長崎貿易銭: 鎖国時代に外国との取引用に鋳造された穴銭。種類によって価値が異なる。
- 咸豊通宝: 中国清朝時代に発行された古銭。大きいものは高額査定されることも。
- 開元通宝: 中国唐時代に鋳造された古銭。種類によって価値が異なるが、美品なら数万円になることも。
- 絵銭と皇朝十二銭: 絵銭はおもちゃや儀式用に発行された穴銭で、価値がつくことも。皇朝十二銭は日本初の流通銭貨で、歴史的価値が高い。
穴銭は古い歴史や多様なデザインが魅力で、コレクターに人気があります。